いま、『考える脳 考えるコンピューター』という本を読んでいる。今からさかのぼること20年前、大学の卒業論文のテーマは「脳神経系のシミュレーションモデルの製作と検証」だった。当時はワープロは一般的でなく手書きで書いた原稿を製本して卒業研究論文としていた。
この論文の内容のサマリは『Software People Vol.4』のコラム「人間の考え方,コンピュータの考え方」に書いた。不思議と『考える脳 考えるコンピューター』とタイトルが似ている。
『考える脳 考えるコンピューター』はパームコンピューティング社を設立し事業としての成功を収めたジェフ・ホーキンスが長年興味を持っていた脳についての研究を続け研究所を設立してしまった。もうこななると趣味の世界ではない。ほとんど自分の脳への探求心を追い続けるための資金を調達するために事業をしているようなものだ。
まだ、完読できていないのだが、半分まで読み進んでジェフ・ホーキンスも自分もコンピュータと人間の脳の情報処理の仕方がまったく異なるということを十分に認識できているという点が一致していると思う。
ただ、新しい発見というか、新しい理解としてジェフ・ホーキンスは、コンピュータは脳の500万倍ものスピードで情報を処理できるのに、人間の脳の情報処理能力が高いのは脳が情報を並列処理しているからではないと『考える脳 考えるコンピューター』の中で書いている。並列処理するのではなく、すでに記憶した豊富な経験の中から答えとなる答えを連想により引き出すだけだから早いのだ。
問題に対して似たような成功体験をしていなければ、その問題に似た体験や知見の記憶を探すわけだが、そのような記憶がまったくない場合は混乱したり、不安や恐怖を覚えることもあるかもしれない。
EEBOFの研究員のよしのさんがブログの中で以下のように書いている。
【ブログより引用】
計画を立てずに見切り発車し、がむしゃらに取り組むと失敗するかな。たいていこういう時には、無駄な作業がたくさん発生するわりに、本当に必要な情報を見落としちゃったりします。
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自分の気持ちの中では多くの時間をかけ「努力」したのにアウトプットがまったく出せないのは私に能力が無いんだろうと思うようになり、そこからは仕事が手に付かず、パニックになってしまったのです。皆さんはそういう経験ありませんか?
【引用終わり】
自分は、何かの企画・計画を立てるとき、過去の成功体験の中から似たようなものをつなぎ合わせて、うまくいくような感覚を持たないとスタートをかけない。その企画が自分だけのタスクですむことなら、成功のイメージが現実となる確率は高い。
しかし、自分だけでなく他人も巻き込んだプロジェクトの場合は、プロジェクトメンバーのスキルや性格から想定されるイメージとプロジェクトの目標を総合して、成功のイメージが描けるかどうかがポイントとなる。
自分だけのタスクではないので、最初のイメージがよくても必ずしもその通りにいかないときはままある。しかし、最初に成功のイメージがない場合、見切り発車して現実に成功する確率は低いように思う。
上記のよしのさんへのアドバイスは、若いうちは小さな成功体験を積み重ねる、成功しそうなプロジェクトに参加して成功体験を積み重ねることをやったらどうかと思う。
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