2006-04-12

缶バッジ

4月11日は、『組込みソフトエンジニアを極める』の打ち上げだった。メンバーは日経BPの編集の柳田さんと、人物イラストをデザインした武工房の武田亜樹さんと、制作会社のクニメディアのお二人と自分の5人。

この打ち上げに前に、何か記念になるものを作ろうという遊び心が沸々とわき上がってきた。そこで、思いついたのが缶バッジだ。缶バッジとは、金属の丸い素材に写真やイラストを丸く切ったものを重ね、さらに薄い透明のフィルムを重ねて、缶バッジ製造器でまず上から押さえ込んで包み込むようにして、その後下からベース素材をはめ込んで、最後に安全ピンがついた部品を差し込んで完成となる。

これは子供のおもちゃ(約4000円)なのだが、完成したバッジは売り物にできそうなくらいきれいになる。

通常は印刷した写真や缶バッジ製造器に付属のイラストでバッジを作る。それだけでも子供は大喜びなのだ。でも、大人が作るからにはちょっと工夫したい。そこで、武田さんが作った本に登場する主人公の組田鉄夫のイラストをベースにクニメディアのデザイナーさんが作った本のタイトルロゴを使いスタッフバッジを作った。そして、スタッフリストで中央のデザインをくるんでみた。

打ち上げの席でも好評だったので、失敗を繰り返しつつ完成させた甲斐があった。最初失敗したのは、イラストをきれいに出すためにプロフェッショナルフォトペーパーという写真印刷用の用紙を使ってインクジェットプリンターで印刷したのだが、これが紙の厚みがかなり厚かったため缶にくるめたあと、ベース素材がうまくはまらないのだ。かといって通常のコピー紙を使うと色がきれいにでない。紙質(厚み)と発色のきれいさをトレードオフしながらちょうどいいところをねらって試行錯誤を繰り返していたら結構な数の失敗作ができてしまった。

でも、よく考えるとこれって組込みソフトの開発によく似ている。すり合わせで試行錯誤しながら完成させて満足がいく結果が出たときの喜びは大きい。さらに、できあがったプロダクトがユーザーに評価されれば喜びは倍増する。

『組込みソフトエンジニアを極める』でも書いたが、市場やユーザーの求めているものと、組織の目標とエンジニアの思いの3つのオーバーラップが大きければ大きいほどすべての人がハッピィになれる。

なかなか、現実は厳しいもので、思ったようにはいかないが、常に Win & Win の関係になれるように努力していけば仕事へのやりがいが増すはずである。

やっぱりものづくりは楽しいのでやめられない。

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