2021-03-23

人工呼吸器は不足したからといって簡単に作れるもんじゃない

他業種の医療機器製造業参入について(人工呼吸器そんなに簡単に作れるの?)』の記事をおよそ1年前に書いた。

時は流れて最近、人工呼吸器の使い方を 病院の臨床工学士の皆さんに説明する場に立ち会う機会があった。

自分は人工呼吸器はあまり詳しくないので、初めて聞く内容ばかりだったが、かなり専門性のある内容であることは分かった。

例えば、マスクが外れたことを検知したときにアラームを鳴らして、いったん酸素の供給を止めるが、マスクを付け直したことを検知したら自動的に再稼働するとか、使用前点検の記録を各病院のルーティーンに合わせてカスタマイズできるとか。

そういった専門的で臨床使用する場合の仕様が人工呼吸には必要なんだということが分かったので、『他業種の医療機器製造業参入について(人工呼吸器そんなに簡単に作れるの?)』の記事を書いた頃の、「人工呼吸器不足しているので作ってみました」的な記事はいったい何だったのかと思った次第だ。

たぶん、臨床の現場では、それは役に立たない代物であり、実際には 睡眠時無呼吸症候群の治療用のCPAPの代用品にできるかどうかくらいだったのだろうと思う。


医療機器ってそんなに簡単に参入できるもんじゃないよなということを再認識したとともの、医療機器を作るなら医療の現場をじっくり見て臨床的に何が行われているのかをちゃんと見ないとダメだと思った。

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