2009-03-29

組込みソフトエンジニアの終焉

この時期、団塊の世代の方達の定年退職の送別会がいくつかあった。そのような方々のこれまでのエンジニアとしての人生を聞いていると一芸に秀でた技術者は最後は多くの人たちに感謝されながら見送られるのだと感じた。

実際、その方は電気系のエンジニアの方だった。そこでふと思ったのは組込みソフトエンジニアは現役を引退するとき、周りの人たちからどのような見送りを受けるのだろうかということだ。そもそも、ソフトウェアは表に見えにくいものだから、実績を語るのも難しいだろうなと思う。

やっぱりソフトウェアも同じで「○○の専門家」とか「品質保証のプロ」など、何か一芸に秀でるところがないと引退を惜しんではもらえないに違いない。または、後身を指導して人を育てたかどうかだ。現役バリバリのエンジニアという時期を越えて30代中盤を過ぎるようになってきたら、若いエンジニアをどう育てるべきかということをいつも考えておかなければいけないと思う。

そうしないと、若い技術者を育てるどころか、世の中の新しい技術に追いついていけず、若い人たちの足を引っ張るだけの役に立たないおじさん、おばさんエンジニアになってしまう。

人を育てることを考えるときには、自組織で生き残れるスキルだけでなく、世の中に放り出されてもきちんと食べていけるようにするには何を教育すればよいかを考えよう。そうすれば、自ずと組織の外に目が向いて外の世界から見た自分を見つめ直すきっかけにもなる。

若いエンジニアを一人前に育てることができ、そんな技術者が徐々に増えていくようなら、現役の組込みソフトエンジニアを引退するときにも感謝してもらえるに違いない。

人から感謝されるためには、自分の周りにも組織にも社会にも貢献しなければいけない。

P.S.
働くことの本質は貢献であるという考え方』の記事も参照されたし。

0 件のコメント: