3 コメント:
もしも、君が組込みソフトに興味を持っていて、将来組込みソフトの仕事につきたいと思っているのなら、おすすめのアプローチは『習うより慣れろ!』作戦だ。
まずは昔話から
実は組込みソフトは社会人になってからでしか始められないかというと、今はそうではない。30年前は高校生が組込みソフトをやってみたいと思っても難しかったね。
実 際、自分が大学生のとき日本で初めて個人でも使えるパーソナルコンピュータPC-8001がNECから発売された。もともと外国製では Appleのコンピュータがあったけど何十万円もしてとても手が出なかった。PC-8001も高かったので結局は買えず、その弟ぶんのパソコン PC-6001が出たとき7万円くらいで買った。これは家庭にあるテレビにつないで画面を見るタイプのパソコンでプログラムはなんとこれも自分が持ってい るテープレコーダに音声情報として録音していたんだ。
このときはパソコン雑誌に載っているプログラムのリストをキーボードから打ち込んで は実際に動かして遊んでいた。でも、打ち込むプログラムがだんだん多くなってくるとプログラムリストを紙に打ち出したくなる。でもプリンタが高い。モノク ロでしかも一行ずつ文字しか打てないインクリボン式のプリンタがパソコンと同じく7万円もしたんだよ。でも、どうしても欲しかったからアルバイトしてお金貯めて買ったなあ。
パソコンの価格だけは時がたつにつれて安くなるので驚きだね。いまや7万円で高性能なディスプレイ付きのパソコンが買えるし、カラーのインクジェットプリンタは1万円台で買える。(消耗品のインクで儲けているからプリンタはほとんどタダ同然でもいいんだ)
だから、君はすでにパソコンを持っているという前提で話しをするよ。
君 がパソコンを持っていてインターネットに接続する環境があるのなら、プログラムを作ってみる方法はたくさんある。今はインターネットで世界中がつながったことで、無償でソフトウェア開発の環境を提供してくれる個人や企業もたくさんあるし、わからないことがあったら親切に教えてくれるしくみもそろっている。
だけど、君が組込みソフトに興味を持っているのなら、おすすめのコースは別にある。
前回の記事に書いたように組込みソフトはセンサーとアクチュエータがあると格段におもしろい。センサーとアクチュエータを積んだ組込み機器に自分が作ったプログラムを載せて、いろいろ試してみると自分が作ったプログラムの通りに組込み機器が動くから楽しい。
実は、こんな教材を高校生向けに考えてプロデュースしている二上 貴夫というおじさんがいるんだ。この人はとてもおもしろい人で、サラリーマンとして仕事を持っていながら組込みソフトの楽しさを多くの人に伝えることができるのなら寝食を忘れてがんばっちゃう人なんだ。
科学の楽しさをわかりやすく子供達に伝える活動をしている米村でんじろうさんは知っていると思うけど、二上 さんは組込みソフトの世界では有名な組込みソフトの楽しさを伝える伝道師なんだよ。
その二上さんが最近開発した飛行船をプログラムで制御するキット「マジカルスプーン」というのがある。
現在はマジカルスプーンシミュレータが約7千円で通販で買える。二上さんは今マジカルスプーンリアルを開発していてもうしばらくすると買えるようになるよ。
マジカルスプーンはスプーンをたたいて出る超音波で命令コードを作り(=プログラム)をセンサーでこの超音波を拾って飛行船を制御するんだ。なんだか、わくわくするでしょ。
簡単な説明は、自分も所属している組込みソフトの教育を考えるコミュニティSESSAMEのこのページを見て欲しい。
また、二上さんに負けず劣らず、組込みソフトの楽しさを伝えるのにがんばっちゃっているおじさん、おばさん(おねえさんと言わないと怒られるかも)達は何人もいて、この中の舘 伸幸さんたちがマジカルスプーンのことをWEB上で連載記事として書いているのでこれも読んでみて欲しい。
最後にもう一つのおすすめは、もし君が関東近県に住んでいるのなら、レゴで作った車にプログラムを載せて動かすETロボコンのチャンピオンシップ大会がパシフィコ横浜で11月19日~21日のどこかであるのでこれを見てみたらどうかと思う。チャンピオンシップ大会は平日になるので学校の先生に正直に話しをして休みをもらって見学しに行こう。組込みソフトに夢中になっている学生や社会人達の情熱が伝わってくると思うよ。
以上、これが組込みソフトを知る『習うより慣れろ作戦』の全貌です。また、何かもっと聞きたいことがあったらコメントをください。このやり取りのことは仲間のおじさん達にも伝えておくので後でアドバイスをもらっておきます。
そ れと、『習うより慣れろ作戦』で組込みソフトの楽しさを満喫したら、次は職業として組込みソフトエンジニアになることについて真剣に考えてみて欲しい。 仕事で組込みソフトを作るのは自分が楽しければいいってもんじゃないから、時には辛いことも乗り越えなければいけない技術的な壁もある。でも、自分が作っ た組込みソフトが組込み機器に搭載されお客さんに満足してもらえることが分かると、喜びや辛さを繰り返しながら、それらの壁を乗り越えることができる。だから、まずは何が楽しいのか、おもしろいのかを実感した上で、職業としての組込みソフトと組込みソフトエンジニアについて考えて欲しいと思う。
すみません、初めてのコメントです。実は私、高校生なんですが、組込みソフトに興味を持っています。今、私たちの生活の中で(身近なところ)よく使われている組込みソフトってなんですか。答えてくれるならすごくうれしいです。お願いします。
組込みソフトウェア工房の管理人です。
たぶん一度では答えられないので何度かやりとりしましょう。
「組込みソフトとは何か?」これに答えるにあたって一番の大事なのは高校生の君がなぜそれを知りたいと思ったのか・・・これが問題です。
1. 学校の授業で「組込みソフト」の話がでてきたから
2. 何かおもしろそうな感じがするのでどんなものか知りたいから
3. 進路について組込みソフトの仕事につくことも考えているから
4. 親が組込みソフトの仕事をしているのだけれど教えてくれないから
5. その他の理由
この中のどれ? 例えば、1とか2なら組込みソフトでワクワクするイベントや教材を紹介するし、3や4ならどんなところが楽しいのか、どんなところが大変なのかを中心に答えを考えます。
こんな日記風の説明もありますが、もう少し情報をください。
ありがとうございます。わかりやすかったところもありますし、少しわかりにくいところもありました。私は元々ソフトウェアに興味を持っていて、将来 ソフトウェアに関する仕事につきたいと考えています。その中でも、特に組込みソフトに強い関心を持っています。ってことは、2. 3.ですね(笑)。ぜひ、組込みソフトについていろんな話を聞かせてください。