このブログを始めたのは、日経BP社から「組込みソフトエンジニアを極める」を2006年に出版したことがきっかけだった。
「組込みソフトエンジニアを極める」は初版が4000部で、約5年半で在庫がなくなった。しかし、このくらいの売れ行きのスピードでは日経BP社としては増版できないという判断になったため、出版社をエスアイビーアクセスに変えて元原稿から編集し直してタイトルも「リアルタイムOSから出発して組込みソフトエンジニアを極める」として2011年10月に改めて出版し直した。
日経BP版の定価が2900円で、エスアイビーアクセス版が1800円。
エスアイビーアクセス版の「リアルタイムOSから出発して組込みソフトエンジニアを極める」は初版1000部で、2016年の上半期(出版したから4年と少し)で在庫がなくなりつつある。
現在、技術書は増版されるかされないかの判断は厳しいらしく、ギリギリまで増版の決定はしないので在庫が少なくなると Amazon でも中古本でしか手に入らないという状況が生まれる。
現在の「リアルタイムOSから出発して組込みソフトエンジニアを極める」がまさのその状態で、Amazon で見ると 中古で4000円台の値が付いている。
それでも楽天ブックスの方ではまだ定価販売されている。
「リアルタイムOSから出発して組込みソフトエンジニアを極める」の今後の増刷は出版社と相談して、オフセット印刷ではなく、オンデマンド印刷にすることとなった。(オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い)
おそらく1回200部くらいの少量印刷で細々とつないでいくことになる。
印刷費が上がるので、定価は若干高くなる予定だ。
インターネットでかなりの情報が入手できる時代になったが、本を書く側から考えてみると、リアルな技術書として仕上げるということによって掲載される情報が洗練されると思う。
インターネットに挙げる情報はとりあえずでもいいかという気になるが、本にするにはちゃんと裏を取らないとまずいと思って慎重になるので、それだけ信頼性が高い情報になる。
電子書籍もやってみたけれどやはりリアル本がいいなと思うようになってきた。
リアル本を所有して手にとってパラパラめくっているといいアイディアが浮かんだりする。説明するのが難しいが、インターネットで検索して見つけたというのとは何かが違う。
リアル本もまだまだ生き残って欲しいと思う。そのためには読者がリアル本を買い続けてくれなければいけない。
そう考えると自分も最近リアル技術書を買っていないなと思い反省している。