ハリー・ポッターを見ていて、ソフトウェアエンジニアもホグワーツのように魔法(ソフトウェア技術)を学ぶ学校が必要かなあ、と思った。
ソフトウェア開発というよりはプログラミングは、こもろうと思えばかなりの部分自分の中にこもって仕事ができる。自分だけの世界の中で自分だけの価値観で突き進み、たまに外界から呼ばれたら「しようがないなあ」とつぶやきながら出て行って「はいはい」と適当に対応して、また自分の世界に戻るという時間の過ごし方も可能だ。
プロジェクトマネージャ、プロダクトマネージャの立場からすると、こういうエンジニアばかりいるととてもやりにくい。Aグループが作ったソフトウェア再利用資産をBグループのメンバーに利用させるとか、AグループとBグループとCグループの共通のインタフェース仕様を共同で策定するなどといった活動がなかなかうまく進まない。
ソフトウェアエンジニアを魔法使いに見立てれば、彼らは魔法使いとしては未熟な部分があり、集団生活、集団学習の中で、設計の規範や再利用の技術や、ソフトウェア工学を学ぶ必要がある。
自分を客観視できるエンジニアは書籍を先生に見立てて、自分自身で教室を開けるので学校にいかなくても、学校に行っているかのような環境を作り出すことができるし、組織内部で教育やトレーニングの環境、システムが整っているところは心配ない。
問題はそのような環境がなく、自分の中に閉じこもろうと思えばそうできてしまうような多くのソフトウェアエンジニアはどうすればいいのかということだ。
社会人が大学院で1年くらい学べるような環境が整っていればいいが、仕事を抱えているとなかなかそうもできない。社外研修やシンポジウムへの参加はできるものの、ホグワーツのような系統だった学習ではなく断片的な知識の習得になりがちた。日科技連などの長期的な学習カリキュラムもあるが、魔法学校のように学習すべき技術が体系化されていないためどれに参加していいのか困ることもある。
産学の間で「教えて欲しいこと」と「教えること」を合意し、将来を期待するソフトウェアエンジニアを定期的に送り出して魔法(技術)を教えてくれるような、ホグワーツのような学校ができないかなあと、ハリー・ポッターのシリーズを見ながら思った次第である。
【ホグワーツのようなソフトウェアエンジニアリング学校の条件】
- 学校の名前に権威があること。
- 優秀な魔法使い(エンジニア)を多数輩出していること。
- 実績のある教師を有していること。
- 実技実習も充実していること。
- 誰もが学びたいと思うような魅力があること。